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オカルト入門講座1「四大元素」

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ガバリス伯爵 『あなたを誘惑する』 ガバリス伯爵 (gabalis)
オカルト入門講座1「四大元素」
西洋では、この世の全てのものは4つの元素(エレメント)の組み合わせによって作られていると考えられました。すなわち、火、水、大気、土です。(中国の五行(火水木金土)に似ています。恐らく、中国の五行の方が古いでしょう。それが伝播し、西洋に伝わったのだと考えられます。)

この4つのエレメントにはそれぞれサラマンダー(火)、ウンディーネ(水)、シルフ(風)、グノーム(土)の精霊が配されました。
サラマンダーは火蜥蜴(トカゲ)です。ウンディーネは人魚に近いイメージです。グノームは小人のような感じ。シルフは大気中を漂う精霊で、ちょっと捉え所がないのですが、とても美しく人間のような姿をしています。
西洋にも古くはこのような精霊が確かにいました。しかし、一神教文化に抑圧されて隠されたり、おとぎ話に姿を変えて伝えられたりしています。

修道士たちはセックスが禁じられています。もちろん、カトリックの聖職者たちもそうです。おそらく、今の教皇も童貞でしょう。
それと同じように隠秘学の追求者たちも、真剣な者達はセックスをしてはいけませんでした。しかし、彼らには結婚して子供をもうける道はあったのです。それは精霊たちと結婚することでした。人間と結婚した精霊には永遠の命が与えられます。
しかし、そんなことを真剣に考えていたのでしょうか?
恐らく違うでしょう。それは何かの隠喩なのです。
精霊との結婚とは隠秘学に身を捧げて研究することかも知れません。

四大元素の影響は他にも見ることができます。例えばトランプのマークです。
トランプはもともとタロットカードからゲームに使用するため簡略化されたものです。タロットでは剣、棒、金貨、聖杯がマークになっています。それらは職業を表しているように見えますが、もともとは四大元素を表していました。それを隠すために変化したものと考えられます。

正多面体についても書いておきましょう。
正多面体は全部で5つありますが、これも四大に対応しています。
正4面体は火です。正三角形4枚で構成されていて、尖った頂点が空を指しているので、火を連想させます。火の粒は正4面体だと考えられていました。
正20面体は水です。正三角形20枚で構成されてるので、非常に転がりやすく流動的な印象があるためでしょう。
正8面体は大気です。左右対照的に置こうとすると、上下にピラミッドを2つくっつけた形となるため、自力では立てません。左右対称であることが本質的なのだから、この形は空中に浮遊しているはず、それは大気であると考えられたのでしょう。
正6面体が土です。土には金属などの鉱物も含まれます。もっとも安定した形がそれを連想させたのでしょう。
さて、では正12面体は?
正12面体は発見が遅かったので、四大には対応していません。
遅いと言ってもピタゴラス学派が発見していたので、紀元前です。ピタゴラス学派は実はピタゴラス教団とも呼ばれています。秘教的な集団と認識されることが普通ですが、これは秘密結社そのものだと考える方が自然でしょう。(秘密結社については後で書きます。)
発見が遅れたために、12枚の正五角形で形成されるこの美しい多面体には栄誉が与えられました。それは第五元素(キンタ・エッセンティア)に対応するという名誉です。この第五元素は物事の本質的なものと考えられ、第一物質(プリマ・マテリア)に相当します。このプリマ・マテリアこそ錬金術の目指す賢者の石、エリクサーの別名です。
5つ目の正多面体があるという噂だけがあったのですが、誰も見つけることができずにいました。あるとき、ピタゴラス教団の団員の一人が秘密を漏らし、正12面体はようやく公にされました。秘密結社の重要な秘密を漏らした者には何が待っているでしょう。そうです、彼は教団に殺されました。

正多面体は、詳しくは触れませんが、それぞれが惑星にも対応しています。これら多面体には何となく他にも秘密があるだろうと思われていました。その秘密を解くことは宇宙の秘密を解くことと同義とされました。数学の天才でもあるデカルトは正多面体の中にもう一つ多面体が作れるということを発見します。彼は数学的な興味でそれを成し遂げたのではありません。宇宙の秘密を知りたかったのです。それは神を知ることでした。